分野を概観するマップ | 東進ハイスクール 新宿校大学受験本科 大学受験の予備校・塾|東京都

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2022年 6月 4日 分野を概観するマップ

こんにちは、東京大学工学部物理工学科三年の砂田です。

受験を終え二年半程経った私ですが、当時から変わらず今も取り入れている勉強法の一つを、今回はお伝えしようと思います。

一言でいうとそれは、ある分野の全体像を概観することです。

理系の方は共感してくれる方も多いと思いますが、どんどん学習内容が難しくなるにつれ、ある現象を説明するために数々の補題の証明が挿入されたり、一旦天下りで直感に反する関係式を受け入れさせられたりということがあります。その現象を理解するのに、直線的なアプローチは不可能で、追加の知識を運用して初めて理解できるということです。目的地にたどり着くため、色々と寄り道をしなければいけません。

先生は生徒が理解しやすいようにと寄り道をさせてくれるわけですが、まだ理解が浅い者にとっては、どうしてその寄り道をしているのか、そもそもその道が本道なのか寄り道なのかという点が分からず、迷子になってしまうことがあります。つまり、次々と出てくる新しい概念を理解するのに必死になるあまり、その知識が導入された意味は何か、そもそも説明したい現象は何だったかという点を見失います。

私はそういったときは決まって、その分野の「マップ」を作ります。まず各章・節を目次のように書き並べて、各項目で語られていることは何かということを、枝葉を削ぎ落として書き込んでいきます。時には図や各概念の関係性も書き加え、その分野の内容をノート1ページ程度にコンパクトにまとめます。出来上がったこのマップは復習時に役立っているのはもちろん、このサマライズする作業自体こそ、その分野の理解への第一歩になっていると私は思うのです。

もちろんこのマップを作っただけでは不十分で、最終的には枝葉一つ一つに注目し、理解を深めていく作業が必要です。しかし、全体像を概観して初めて、その枝葉の学習に意味が生まれるのだと思います。

ある分野の学習を一通り終えたけれど、いまいち理解できた気がしない、人に説明できるほどではないという方は、このような勉強法を取り入れてみてはいかがでしょうか。